第6分科会「司法書士が未成年後見に取り組む意義」の紹介⑤です!

 

令和6年5月18日(土)、リーガルサポート静岡支部の通常総会に来賓としてお招きした始関正光先生に、「成年後見業務における司法書士への期待」と題して講演していただきました。

 

始関先生は、裁判官を退官後、東京経済大学現代法学部教授に就任されるとともに、リーガルサポート本部の業務審査委員も引き受け、司法書士の成年後見制度を通じての活動にご理解とご協力くださっています。

 

講演において、先生は、裁判官在任中、成年後見事件について、「よりふさわしい成年後見人の選任」を心掛けたと振り返られました。その中で、司法書士は最も頼りになる存在だったと仰っていただきました。

 

なぜ司法書士が裁判所から頼りにされるようになったのか?

 

一つは、「司法書士が積み重ねた実績」、登記業務から訴訟業務、成年後見業務への業務拡大を勝ち取るに至る先人の努力が、信頼の拠り所であったとのことでした。また、司法書士には、「成年後見センター・リーガルサポート」という組織があり、会員の執務を管理・審査するシステムが確保されている。このような組織・システムは、他の専門職団体にはないものであり、それが司法書士の能力担保、執務への信頼につながっているとの評価でした。

 

もう一つは、「チャンスにおける機敏な対応」であると指摘されました。現在、第二期成年後見制度利用促進基本計画に基づいて、成年後見制度と総合的な権利擁護支援策の見直しが進められています。我々司法書士は来る制度改正に機敏に対応することで、その期待に応えなければなりません。

 

また、リーガルサポートが、未成年後見制度に関する事業を公益目的事業に加えたことに言及しました。先生は成年後見と未成年後見では後見人に求められる事務が大きく異なるとの認識を示されましたが、そうであったとしても我々司法書士は裁判所や社会から求められる期待に応えなければなりません。

 

成年後見と未成年後見とは違うとか、未成年後見は大変そうと尻込みするのではなく、これも業務拡大の新たなチャンスであると捉え、できることから機敏に対応していこうではありませんか。